消えない請求画面 その4

「消えない請求画面」のウイルスに感染すると起こる「パソコン内部の仕掛け」を説明する前に、ウイルスに感染しない方法について書きたいと思います。

感染しなければ「消えない請求画面」は出てこないのですから問題はありません。
それでも感染してしまうので相談があるんですが、今回は事前の感染予防対策について説明します。

①「怪しいサイトには行かないこと」「怪しいボタンをクリックしないこと」
・・・当たり前ですが、何のアドバイスにもならないですね。
②前回説明した3段階のステップで表示されるパソコンにあらかじめ備え付けられている警告画面に注意すること。
・・・要するに、警告が出るものの、無視してウイルスを自ら感染させていることが問題です。
さすがに、この段階で怪しいと気づいて欲しいです。
③ウイルス対策ソフトを必ず入れて最新の定義ファイルにしておくこと。

今回は、この「ウイルス対策ソフトによる対策」について説明します。

「消えない請求画面」のウイルスは今では一般的に、ウイルスとして認知されています。
しかし、この「消えない請求画面」をウイルスとして検知しないウイルス対策ソフトもあります。
私もいくつか感染させようとしましたが、そのまま感染したり、ウイルスとして検知されたものもあります。
検出率に差があるようです。
検知されてから、削除するかどうか聞いてくるものもあれば、強制的に削除され感染させたくてもできないウイルス対策ソフトもあります。
とにかく、ウイルス対策ソフトを導入していれば感染リスクを大幅に減らすことができるのです。
(当然ながら、Windows MEなどの古いバージョンのOSを使用している場合は論外です)

意外にもウイルス対策ソフトを入れていない人が多いです。
・パソコンを買ったときに3ヶ月などの無料お試し版が入っていたものの、期限が過ぎて、手続が面倒であったり有料になるのでそのままにしている人。
・ウイルス対策ソフトは1年ごとの更新が必要で5000円程度のお金がかかるので何もしていない人。
・単に面倒な人。
・自分だけは大丈夫だと思っている人。

様々ですが、さすがにウイルス対策ソフトだけは必ず入れてください。
お金を出すのが嫌な場合は、1回目にソフトを購入すれば更新料は無料のものやフリーのソフトを使ってください。
検出率に差はあるものの、性能的には問題はないと思います。
逆に、有料の有名ソフトだと機能が充実しすぎて動作が重くなってしまうということもあります。

代表的なソフトを紹介しておきます。
有料ソフト・・・
ノートン、ウイルスバスター、マカフィー
更新料無料ソフト・・・
「ウイルスセキュリティZERO」
ソースネクスト(http://sec.sourcenext.info/)
1980円で更新料は無期限で無料
フリーソフト・・・
avast!(アバスト)
→私はこれを使用しています。機能の充実した有料版もありますが無料版で十分です。
http://www.avast.co.jp/free-antivirus-download
Microsoft Security Essentials (マイクロソフト・セキュリティエッセンシャル)
→あのMicrosoftが3年ほど前に提供を開始しました。正規のMicrosoftのユーザーであれば無料でインストールできます。
マイクロソフトが提供しているだけあって、信用してもいいのではないでしょうか。
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows/products/security-essentials
そのほかにも、ウイルス対策ソフト・フリーで検索すればたくさん見つかりますし、レビューもあります。
窓の杜(http://www.forest.impress.co.jp/lib/inet/security/antivirus/)

さて、実際にウイルスとして検出された画面をお見せします。
Microsoft Security Essentialsを使用していたものです。
なお、第三段階の最終的な実行段階でウイルスの判定がされます。

①ウイルスの検知画面です。パソコンの右下に表示されます。

②検出されたウイルスの情報です(トロイの木馬といわれるタイプのウイルスです)

③削除操作中です

④無事にウイルスが削除されました

「消えない請求画面」の相談があったら、IPAを紹介する場合が多いと思いますが、できたらウイルス対策ソフトのインストール状況と定義ソフトの更新状況を相談者に確認していただき、もし、対策をしていないのなら、ウイルス対策をするように助言してください。
なお、どんなソフトを使ったら良いのかという質問があった場合や有料だからと二の足を踏んでいる相談者には上記ソフトについて可能な範囲で説明していただいたらいいと思います。
なお、役所だから個別のソフトの名前は紹介できないのでパソコンショップや家電量販店で相談してくださいと堅苦しいことを言うと、相談者は対策しない可能性もありますので、できる範囲で具体的に説明したほうが良いです。
ノートンやウイルスバスター、マカフィー、ソースネクストは有名大手で一般的にも知られているので、複数を紹介して選択してもらうようにすれば名前を出してもいいと思います。
さすがにフリーソフトの場合は名前を出しにくいですが、マイクロソフトのフリーソフトであれば問題ないのではないかと思います。

相談員として、このプラスアルファの配慮ができればいいと思います。