覚えのないもの その1

この請求覚えがないのですが
覚えのない郵便が届いたのですが
などなど、消費者センターには覚えのないものの問い合わせが結構あります。
今回は、この覚えのないものに対する考え方と対応法についてメモします。

「携帯電話の覚えのない電話料金・パッケト料金」

携帯電話が普及し始めた頃、3~4年ほど前でしょうか、多かった相談です。

クローン携帯は基本的には存在しません。しかし、相談者はクローン携帯に違いがないといいます。
家族も誰も使っていないといいます。
誤請求に違いない。
携帯電話会社は何も対応してくれず、使ったものは払えという。
納得できない。
消費者のいうことは聞いてくれないので消費者センターから言ってほしい。
などなど。

この正体は、ずばり、覚えのある請求です。
このような相談に対する対応は、使っているという形跡を探してあげることです。

まず、携帯電話自身の履歴を確認する。
請求書の電話番号を確認する。
ネットの接続先のリストや生アドレスを手順に従って請求する。
それらの書類から、どんなサイトにつながっているかを推測する。
ニューズ番組だったり情報番組だったり、ゲームのアプリだったり。
そして、携帯の管理方法を聞く。
家族と共用していないか聞く。
家族の趣味嗜好と番組を比較する。
特に子どもが使ってそうな番組か確認する。
子どもは最初は使っていないと必ず言います。
犯人探しをすると真実は見えてきません。

そうすると、「あっ!」という反応が出ることがあります。

私は基本的に「覚えのない請求」はないと思います。
単に「使った覚えがない」だけで、実は使っているのだと思います。
いかに、使っている形跡を探してあげることが相談員の実力の見せ所ではないかと感じます。

(平成23年6月20日 初稿)
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