今後の悪質商法
消費者センターの最前線で相談業務を担っている相談員は、今後予想される悪質商法のセンサー機能を持つ必要があります。
国民生活センターが直接相談でセンサー機能を持つという話もありましたね。
私は現場のセンサーが一番大切だと考えています。
今、話題の悪質商法といえば、震災関連商法です。
震災関連商法といえば、家屋の工事に関するものが代表的です。
阪神大震災のときは、基本的には家屋の工事に関するものに注意し、被災地域だけに限定されるものでした。
しかし、今回は規模が大きいだけではなく、原発関連も含めて、被災地だけではなく全国的に注意をする必要があります。
ということは、震災関連の悪質商法に関する相談は、被災地だけではなく、全国に広がる可能性が高いということを認識しておく必要があります。
では、どんな悪質商法が問題になるのでしょうか?
相談員として考えてみてください。
誰よりも早く、悪質業者が悪質商売を始める前に、想定しておく、まさに最前線のセンサーとして機能してください。
現在表面化しているものは
義援金詐欺、放射能を除去する浄水器、エネルギー関連での投資商法などです。
今後のポイントは、節電だと思います。
原発停止によるエネルギー不足は関東圏だけではなく、中部圏にも広がり、電力の融通のため関西にも広がっています。
また、脱原発に向かっている状況から、全国的に実需の電力消費量を下げる必要があります。
(発電)電気を自分たちで確保しよう・・・太陽光発電、エコキュート、ガスによる発電(エコウィル)
(リフォーム)冷房暖房を使用しない節電対策・・・ガラスサッシ、断熱材、通気性の良いドアや窓
(電気製品)冷蔵庫・洗濯機・エアコン・電灯などの省エネ電気製品の訪問販売
(衣料品)クールビズ(スーパークールビズ)、ウォームビズなどの衣料品関係の訪問販売
(食品関係)放射能の不安、浄水器、ヨウ素、被災地での農産物の減少から予想されるコメなどの不足による抱き合わせ商法
などなど、数え上げたらきりがありません。
阪神大震災と違うところは、対象が日本全国に及んでいるということです。
悪質商法の第一歩は訪問販売です。
被害にあった消費者が迅速に消費者センターに相談に来てもらえるようにし、特商法や消契法、民法、特に高齢者に高額なものを販売するという適合性の問題など、きっちり相談対応できるように、また、事前にそうならないように啓発する(広報・訪問販売お断りステッカー)など、消費者センター・消費生活相談員の存在価値を高めてください。
ただし、節電対策として、節電商品を購入したり、リフォームしたりするのは、よいことだと思います。
メーカーも全力で節電対策商品を開発し販売しているのです。
それに便乗してだれかれかまわず高額で売りつける悪質業者が許されないのです。
消費の原則として、それぞれの人に見合った、必要なものを、身の丈に合った範囲で購入するという基本が一番大事であることには変わりません。