現場で何が大変か?

最近、現場の相談員は疲弊している、とか、現場は大変だ、現場の苦労を知らない、分かってくれない、
消費者庁よ、もっと何とかしてくれ、という声を聞くことがあります。

私はそういう声を聞くと、一体何が、どのように大変で、どうしたらよくて、どうしてほしいのか、具体的に知りたいなあと感じています。

こういう視点って、相談業務と同じような気がします。
つまり、「相談員は、相談者が、業者が悪い詐欺だ私は悪くない、と結果論だけを主張しているところを、いろんな視点から具体的に聞き取って、問題点を整理して、解決方法を示して、助言またはあっせんする」、というのが、相談員の仕事の本線ですので、具体的かつ論理的に内容をはっきりさせることが重要であり、明らかにすることによって、相手にも主張が伝わると思います。

何が問題か
なぜそうなるのか
どうあるべきなのか
それは誰がやるべきなのか・誰にやってほしいのか
そして、誰にどうしてほしいのか

消費者庁に問題があるのか?
所属している行政に問題があるのか?
相談員自身に問題があるのか?

私もいろいろ想像してみます。
①相談件数が多くて、多忙で処理しきれない
→所属しているセンターの人員配置の問題である⇒増員を行政に理解してもらえる説得力、行政自らの消費者行政への理解が必要
→適切な相談対応ができていないため処理に時間がかかる⇒相談員のスキルの問題
②増員する予算がないと言われる
→実際問題、予算なんて何とでもなる。問題は増員する必要がない、消費者行政に力を入れる必要はないと自治体に思われているだけ。国が予算をつけても自治体が予算化しなければ意味がない。実際、基金が付いても使わない自治体もあるし、将来、基金ではなく一般財源化されたときにも消費者行政へ振り分けられるかは自治体次第。
③待遇が不満だ、もっと給料を上げてほしい、もっと地位を認めてほしい
→非常勤であれば、他の職種の非常勤と比べてどうなのか?特別に相談員だけランクアップするのか?地位とはイコール待遇?行政職員から格下に見られている?一般職員と同じにしてほしい?
給与の話であれば、いくらが妥当なのか?時給1000円は嫌で、時給2000円なら満足?(家庭教師や塾のバイトの時給が2000円ぐらいでそれと同等?)、などなど考えてしまいます。
⇒待遇は自治体の内部問題。地位も内部問題(社会的には認められつつあるが所属している自治体により?、都市部と地方でも差?)。
④事業者が全然言うことを聞き入れないうえ罵倒され精神的にきつい
→それは今に始まったことではない、それと戦うのが相談員の仕事。妥協点を探して折り合いをつけて斡旋するという本来の仕事(リスクコミュニケーション的な考え)を第一に考える⇒相談員のスキルの問題
→ある程度のところで、次の対応にランクアップする判断(市町村から都道府県に上げる、国センに上げる、消費者庁に上げる、警察に通報する、など、引き際の見極め)⇒センターの方針マニュアル、センターの組織としての対応力、相談員のスキルの問題
※特に、現場のセンターができることには限界があり、何でもやろうとは思わず、役割分担することで、それぞれの強みを生かすことが大切。百戦錬磨の悪質業者にまともに対抗すると、やりかえされて、やられてしまう場合もある。そういう事業者には対抗できるランクに引き継ぐという引き際の見極めが大事。
④無理難題を押し付ける相談者に困り果てている
→無理難題だけあって、パターン化されるので、対応はある程度マニュアル化される。思い込みの強い相談者にどう対応したらよいか、など。⇒センターの対応方針、相談員のコミュニケーションスキルの問題

いろいろ考えると、外なる問題よりも、内なる問題の方が多いような気がします。
内なる問題は、究極には解決できるはずです。
もちろん、わけわからない例外事案はあると思いますが、みんなが一致団結して解決しようという気持ちになれば、いい方向に向かうと思います。実際は、一致団結が一番難しかったりするのですが。

内なる問題って
①相談員同士のコミュニケーションの問題(仲が悪い、いじめられている、助言してくれない、など)
②相談員と行政職員の意識の格差(安い給料でこんなに働いてるのに高い給料で何もしていないじゃないか、研修に行かせてくれない、苦情受付係としか思われていない、困ったときに助けてもくれない、ばかにしていり、など)
※実際にあるでしょうけど、この2つが重なると精神的にしんどいですよね、人もどんどんやめて入れ替わることもあったりします。逆に、この2つの関係が上手くいってる職場はモチベーションが高いのではないでしょうか。まあ、基本的には相談員は女性職場なので人間関係が難しい面もありますよね。そろそろ男性相談員が入ってもいい時代のような気がしますが、壁も高いですね。

外なる問題は何だろう?
消費者庁に問題が?
(個人的にはたくさんありますが)
現場が疲れてしまうような問題を具体的に知りたいです。

具体的な問題点がわかれば、何らかの解決策が見つかるのではないかなと、思っています。
それが、内なる問題であれば、実行できるかどうかは別として、方法論的には比較的容易とは思います。

仕事の話ではなくて、身分や待遇の話でしょうか?
それは主に労働問題のような気がするのですが、待遇については思うとこともあるので、ちょうど雇止めについての通知も出たことですし、機会があれば書こうかなとは思ってます。

とにかく、現場は大変だという声はよくききますが、それが、内なる問題か外なる問題かをきちんと分けて考えれば前進するのではと思います。
ちなみに、相談能力のスキルアップは私は何度も書いていますが、内なる個人の問題だと考えています。
個人のスキルアップについては私の講座も参考にしていただければ幸いです。
特に私が危機感を感じているのは、一人相談員職場です。
将来的には、周りに頼る人がいないという相談員のシェルター的役割も目指しています。

※今回の文章は何度も慎重に考え、言葉を選んだつもりですが、不快感を感じさせてしまった場合は申し訳ありません。

(平成22年2月17日 初稿)
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