流行を知る 「新聞折込チラシ」

相談員としてのスキルアップは、日々勉強、日々努力です。
毎日少しづつでもいいので学んでください。
無理せずに勉強する方法を紹介します。

「新聞の折り込みチラシを読み解く」ことです。
相談員のほとんどは女性だと思います。
家族をもたれている方も多いと思います。
新聞の折り込みチラシは、ほぼ毎日入っているのではないでしょうか。
そして、だいたい目を通しているのではないですか。
その折込チラシを少しだけでも意識して読み解くと世の中の流行の流れをかいまみることができます。

①スーパーのチラシ
物価が分かります。たとえば、小麦が1kg98円の特売だったのに、3年ほど前から特売に登場しなくなり、価格も倍増したり容量が減ったりしている。もちろん、海外での小麦の事情が推察されますね。生鮮食料品についても短期的・長期的な価格変動を知ることが出来ます。スーパーでの買い物の苦情相談に対して、少しでも相談者の気持ちを理解し、参考にできるのではないでしょうか。ちなみに私はここ2年ぐらいの食品の底値や価格変動はかなり把握しています。
②健康食品のチラシ
通信販売でのチラシがよく入ってますね。はやりの健康食品を知ることが出来るとともに、じっくり読むと、表示や販売方法、価格など読みどころ満載です。最近では、誰もが知っている大手のメーカーが健康食品のチラシを出していたのでびっくりしました。
③健康食品の移動店舗販売のチラシ
パン1斤先着100人10円、ただし健康に関する話を聞いてね、など、消費者センターの世界では有名なパターンですね。よかったら、のぞいてみてはどうでしょうか。
④携帯電話のチラシ
どんな機能の携帯電話が流行しているのか、価格はどれぐらいか、割引プランはどうか、毎週読んでおくと携帯電話の世界が近づきます。また、季節によって各社がキャンペーンをしたり、売れる時期と売れない時期などが分かってきます。最近では携帯電話がスマートホンへの転換の流れを受けて内容がスマートホン中心に変わってきています。
⑤家電量販店のチラシ
どんな電化製品が売れているのか、新製品情報、長期保障、量販店同士の価格戦争、最近ではエコポイントのこと、など、多くの情報を得ることができます。
⑥不動産関係のチラシ
土地、一戸建て、マンションの新築・中古価格から不動産市況を知ることが出来ます。また、リフォーム関係のチラシもプラスして、付随する設備、たとえば太陽光発電や給湯システムなどなど、業界が力を入れているものが分かります。そして、そういう分野は消費者トラブルも出てきます。
⑦そのほか
クリーニング店、開運グッズ、資格商法、などなど

チラシだけでもかなりの情報源であり、なんとなく読み流すのではなく、少し視点を変えて読み解くと、新たな発見や気付きが生まれると思います。

(平成22年11月15日 初稿)
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3D映画

4月19日の日経産業新聞に「3D映画 旋風到来」という記事が掲載されていました。
3D映画とは、日経MJの記事のときにも書いた「アバター」のことです。
現在は第2弾として「アリス・イン・ワンダーランド」が公開されており、アバターをしのぐ勢いだそうです。
その特集記事の中に、アメリカの映画館の一部でこれを商機とみて3D映画を値上げする動きがあるそうです。
ニューヨークのある映画館では大人料金が2ドル値上げして約19.50ドルになったとのことです。
しかし、子供向けの3D映画の興行成績が予測を下回っているそうです。
冷や水を浴びせねないととしています。

日本だったらどうなるのでしょうね。
もし、値上げとなれば、消費者センターでも苦情を受けるかもしれませんね。
適切な苦情窓口を紹介したり、センターから申し出たりするのが、本筋でしょうね。
それもひとつの方法ですが、やはり、その場で解決する道を選ぶほうがよりよい選択だと思います。

ポイントとしては、価値観の問題でしょう。
値上げを受け入れてまでも見る価値があるのかどうか。
普通の映画と違って3D映画にその価値があるのか。
たとえばディズニーランドがさらに内容を充実させるために値上げをしたとしたら、どのような反応でしょうか。

そこで実体験がものを言うのです。
これは、相談員に必要な知識でもお話したところです。
もし、「アバター」や「アリス・イン・ワンダーランド」を3D映画で見たことがあり、すばらしく感じたなら、そのことを話してみてください。
お互いの実体験を通して共感を得ることができるかもしれません。
そんな対応を目指すという方法もあります。
逆に面白くなければ、それも同様です。
相談員と消費者という関係から、共感を経て、1人の人間と1人の人間としてコミュニケートしステップアップする。
それも素敵な関係じゃないでしょうか。

しかし、実体験がなければ、さらに、3D映画自体知っていなければ、相談員と消費者とは平行状態のままです。
結局、どこかを紹介することになるでしょう。
そのこと自体が苦情になったりします。

スマートな相談対応をしたいですね。

(平成22年4月20日 初稿)

日経MJ(2010/4/14) その2

問題の「ラー油」ですが、これは消費者センターにも苦情がきても不思議でない事例だと思います。
同様な事例は過去にもあるし、これからもあると思われるパターン事例です。
パターンを押さえていれば、同様事例には同じように対応すればいいです。

さて、どのような形で相談がくると思いますか?
いろんなパターンが想像できると思いますので、みなさんで考えてください。

対応のポイントは
1.ラー油はブームになって入手困難。
2.ネットオークションで高値で取引されている。
3.抱き合わせ販売もみうけられる。

これらの3点を押さえておくことです。

そして、消費者の不満を受け入れ、共感してあげることで、気持ちをおさめてもらうことを目指します。
上手にお話できれば納得してもらえる可能性は高いと思います。
もちろん、この「ラー油」について具体的にブームの内容や食品の中身などについて知っていれば文句なし、というところですが、知らなくてもパターンで対応できます。

しかし、このラー油ブームについて、相談員が知らなければ、話がかみ合わず、何度も聞き返し、メーカーや公取や販売店に電話し、...、と想像するだけで無駄な労力を使いそうです。
正論で対応する相談ではないと思います。
どちらかというと、話をよく聴いてあげることで、納得し、終了とする事例です。
継続相談にしてしまったのなら、対応した経過を振り返ってください。

もちろん、ラー油ブームについて十分な知識があれば、きちんと対応できるというわけではなく、「消費者の不満を受け入れて共感してあげることで、気持ちはおさまる」ということを実践できるコミュニケーション力が必要です

具体的に、どのようなやり取りがあり、どのように対応したらいいのか、ロールプレイングとして、いろいろなパターンを想定しながら、コミュニケーションの実践講座ということで、講習会で一緒に実践できればいいなあと思います。

(平成22年4月17日 初稿)