2010年4月10日
/ 最終更新日時 : 2014年10月22日
管理人
事例紹介
××社の携帯は故障が多い。
相談員をしていれば当然思うことですよね。
しかし、本当に携帯電話会社の中で××社は故障が多いのでしょうか。
ここで重要な事実を確認してください。
携帯電話は××社がつくっているのではなく、大手家電メーカーが作っているのです。
しかも、その家電メーカーは、たいてい、すべての携帯電話の機種を製造しています。
もちろん、原価や仕様により差はあると思いますが、そんなに頻繁に故障する電話を大手メーカーが製造するでしょうか。
もうひとつ重要な事実があります。
一般的に、消費者センターへの苦情相談は、消費者が事業者へ申し出たにもかかわらず対応に不満があった場合に、次の段階として消費者が事業者への不満を訴えに消費者センターに相談に来るのである。
したがって、携帯電話の故障率は消費者センターではわかりません。
ただ、××社の苦情相談が多いという事実が浮かび上がるだけです。
ほかの携帯電話会社では、最初の消費者からの申し出に対して適切に対応しており、消費者センターに相談するという次の段階にまですすまない、ということが考えられます。
そうすると、「××社の携帯は故障が多い」というのは正しくはなく、「消費者センターには××社の苦情相談が多い」ということになります。
××社の苦情相談が多いために、××社に対してバイアスを持ってしまったのである。
したがって、××社に対して、バイアスを持っているために正しい判断ができなくなってしまったのです。
「S社は消費者に対する対応がよくない」という事実は浮かび上がるでしょう。
とはいえ、いろんな掲示板を見ると、「××社の携帯は故障が多い」という傾向はあるかもしれませんね。
でも、これは事実として統計的に確認したものではありませんので。
携帯電話機を製造している家電メーカーが明かされることはないでしょうけど真実を知っているのでしょうね。
おまけです。
バイアスの次の事例ですが、「出会いサイト」は、すべて悪質だと思い込んでいませんか?
次は、「出会いサイト」について考えたいと思います。
(平成22年4月10日 初稿)