消費者庁長官の記者会見(2月26日分)
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今回の記者会見のテーマは(食品表示Gメン等への併任発令、ブラインド等のひもの安全対策、「ハンドブック消費者2014」の公表について)ですが、質疑応答で相談員の資格制度について問答があったので紹介します。
2.質疑応答
問
消費者安全法の改正で,相談員資格の関係ですけれども,今日,民主党のほうの部会でも一部の団体から反対の意見が出たのですけれども,このあり方について,長官のお考えを教えてください。相談員資格については法的な位置づけをしたいと思っていると思うのですけれども,それに対して反対意見もあるわけなのですが,そこの部分どのように説明されていかれるつもりなのかとか,どのようなお考えなのか。
答
相談員資格をちゃんと法律の中に位置づけるということについては,相談員さんの位置づけが高まるということになると思いますので,ぜひ実現したいと考えております。その資格は、登録試験機関で付与してもらうことになりますけれども,その仕組みについてはまだご理解いただいていない部分もあるのではないかと思っていまして,この間何度も説明に伺っておりますが,また引き続き説明していきたいと考えています。
問
日本消費経済新聞の相川です。
朝日新聞の記事にも書かれ,質問も出たので,相談員の移行措置とか,条文の内容が水面下で消費者団体に漏れ,そこからは反対意見が出るとか,そういうことはおかしくないかと思うんのですが,それについてどう思われますでしょうか。
答
条文の内容といいますと。
問
例えば,移行措置ですが,相談員の移行措置についてどのようになされるかご説明いただけますでしょうか。
答
移行措置というのは,現在資格を持っている人たちのことと思いますが、条文が漏れているというのはよくわからないのですけれども。
問
内容がもう漏れています。内容が消費者団体のほうは把握されていて,反対意見が出ています。
答
今,資格を持っている人たちは、相談員の任用条件としては新資格と同様のものと見なすとしており、新しい制度になっても、引き続き地方自治体において相談員として任用される条件になります。そのことについてでしょうか。
問
従来,資格を持っていて,今資格を持っていない人は,5年後を目途に研修を受けなければ,今の資格と見なされない。一定期間の経験を持つ人たちを何年にするか。それについても2年ではないと思うのですけれども,その辺でももめている。それから守秘義務について,懲役刑が入ると,それについての批判が出ていますが,それについてはどう思われますか。
答
先ほどの移行の件ですが,今の3資格の保有者は一定の知識を持って消費生活相談を担う人材となり得るということで説明をしています。政令とか府令部分についてもガイドラインとして示す予定にはなっておりますけれども,そこについては,例えばこんなことを考えていますよという説明をする中で,ご意見をうかがっている段階です。
問
それから,学習会,個人情報を伏せて相談員たちが研修とか事例検討をしていると,そういうことができなくなるのではないかという不安の声が出ています。
答
それについても学習会などが十分に行われるように,ガイドライン等で示していきたいと思います。また守秘義務については、私は当然のことかと思います。相談員として。
問
今回一括法で出るということですが,やはり景品表示法の一部改正の中に消費者安全法の非常に重要な部分が入っていると,そこで本当に議論が尽くされるのかと。それから,登録機関も本当に民業圧迫と言われたときに,国センが受けられるのかと。本当に国センがどのような仕組みで試験をやるのか。3つの試験が本当に適正かどうかをどこが審査するのか。そういうものが全く見えなくて,すべてが府令に落ちてくる。条例を地方自治体がつくることになっていますが,それの中の中身もすべて府令に落ちてくると。そういうものが全く見えない段階で法案を出そうということに,皆さんが不安を抱いているということではないのかと。
結局,閣議決定がずれ込んでいるというのも,ちょっと朝日新聞が書いてしまいましたので,今回聞きますが,それについてどう思われますが。
答
閣議決定がずれ込んでいますのは,運営上の問題です。
問
2つの団体が反対しているのは明らかですよね。
答
2つの団体が,自民党の調査会で反対意見を出されたのは知っていますが,それを理由に閣議決定が伸びたわけではありません。
問
何で遅れているのですか。
答
運営上の都合で伸びているということです。
問
たった3回の意見交換会をやって,その中ではよくわかっていなかったから反対しなかったような団体が今になって反対していることについてはどう思われますか。
答
よくわかっていなかったのに反対しているといいますと。
問
なぜ今になって2つの団体が正式に反対しています。
答
それは私もよくはわかりません。相談員資格の問題については,今回で2回目の検討になります。一昨年の夏に結論を出しました1回目の検討を引き継いで,その報告に基づいて今回,検討をさらに詰めたということでありますので,内容を了解いただいて進んできたと思っておりますが,まだ十分にご理解いただけない部分があるならば,ということで説明に伺っています。
問
今後説明をしていくということですか。
答
そうです。
※なんだか泥沼状態ですね。そもそも法制化の議論で本音の議論がなされていなかったのではないでしょうか。いよいよの段階になって利害関係者として物申すときました。もう国の方針が決まっているのでひっくり返すことも難しいと思います。
質疑の中にもあった「説明不足と理解不足」ですが確かにそうともいえますね。
私なりに解釈すると、消費者安全法の中に具体的な資格名が3つ書かれていることが法律の条文としては適当ではないということですね。したがって、資格名ではなく、消費生活相談員という資格職を法律に位置付けて、その資格の要件=「必要な知識や技能」を具体的に列挙して示し、この要件を満たす試験については、登録するということですね。したがって、その登録機関の実施する資格の名称は何でもいいということになりますね。
こう考えると、確かに法律の中での位置づけというのはフェアで分かりやすいと思います。
もちろん、国家試験として1つの資格で1つの試験のほうが分かりやすいのですが、相談員に関してはそのような形態をとらないので、登録試験機関という手法をとったということです。
複数のチャンスがあるのは、裾野も広がり、いいことですが、逆に、各試験ごとのレベルの差がどうなるのか、さらに、受験者も多くはない試験に手を上げるところはあるのか、という疑問があります。儲からないですからね。赤字になってまでする価値はないでしょう。また、消費生活アドバイザーも試験内容を変更してまで手を上げるかどうか。結局、国センが独法として残って、専門相談員試験が内容を変えて手を上げるというパターンが見えてます。結局、前と同じ体制になるのではないでしょうか。単に国センがなくなるから専門相談員の試験もなくなり、新たな試験を作るという前提自体がなくなってしまったわけですからね。今更、議論はなかったことにはできません。
予想:国の思惑通りの法律ができて、登録試験機関に手を上げるのは国センだけで、試験内容が少し変わる。アドバイザーはそっぽを向く。当たるでしょうか?