相談者の前で電話
来所で相談を受けた場合に、相談者の目の前で相談員が事業者や関係機関と電話で連絡をすることがあると思います。
そのときに気をつけておかなければならないことについて書き留めておきます。
相談者の前で電話する場合は、事務的な連絡だけにしましょう。
交渉ごとをするのは避けたほうが無難です。
必要な場合は自分の席に戻って、電話してください。
なぜなら、その電話で、相談員と相談者の信頼関係が崩れて、消費者センターへの苦情に変わる可能性があるからです。
電話で交渉して、すべて上手くいけば、相談者もうれしいでしょうし、相談員も目の前で交渉が成功したということでうれしいでしょう。
しかし、いつもそう上手くいくとは限りません。
不利な条件を出されたり、けんか腰になったり、何らかの条件がついたりした場合に、相談員自身がうまく交渉をまとめきれないさまを相談者の前でみせてしまうことになるのです。
たとえば、言った言わないの話や法律解釈で平行線になったり、事業者から相談員が相談者から聞いてなかった不利な事実を指摘されたり、事業者との交渉で生じる問題点です。
事業者だけでなく、例えば、公的検査機関でテストを依頼できるかどうか聞いてみたところ、「できます」といわれたが、消費者センターの公文書の依頼書と送料負担が必要であったり、相当な時間がかかったり、後から細かく説明したら思ったような検査ができなかったり、相談者に期待を持たせておきながら、内部の事情で断らなければならないときに、検査できるといっただろう、と苦情になったりします。
単純な案件はかまいませんが、複雑な案件はいったん席に戻ってじっくり考えながら電話することをおすすめします。