消費者庁長官の記者会見(2月27日分)

重要度:高
※行政資料の重要度を個人的に分類

消費者庁のHPに、週に1回、消費者庁長官の記者会見の要旨が公表されています。
先日紹介した「基金等の活用期間に関する一般準則」の制定についての記者会見の記録です

消費者庁HP
http://www.caa.go.jp/
トップページの新着情報からでもリンクしています。
トップ > 活動について > 大臣等記者会見
http://www.caa.go.jp/action/kaiken/index.html

トップ > 活動について > 大臣等記者会見 > 阿南消費者庁長官記者会見要旨(平成25年2月27日(水))
阿南消費者庁長官記者会見要旨
(平成25年2月27日(水)14:00~14:24 於)消費者庁6階記者会見室)
http://www.caa.go.jp/action/kaiken/c/130227c_kaiken.html
1.発言要旨

昨日、26日ですが、平成24年度の補正予算が成立いたしました。補正予算には、地方消費者行政活性化基金の60.2億円の上積みが措置されております。全国の自治体に対して、速やかに交付手続に入りたいと考えております。
しかしながら、この60.2億円は補正予算でありまして、消費生活相談員の雇用など安定的な地方消費者行政の下支えに不安を感じる声があることも承知しております。
そこで、各自治体で長期的視点に立った体制整備を進めることができるように、「地方消費者行政に対する国の財政措置の活用期間に関する一般準則」を、消費者庁長官通知として制定することといたしました。
この準則は、平成26年度以降についても視野に入れて、基金等の個別事業ごとの活用期間に関するルールを定めるものでございます。
この一般準則は、各自治体の消費者行政体制が定着するまでには継続的な支援が必要であるという消費者庁の認識を明らかにするものでございます。また、消費者庁として、各自治体においては、この一般準則に示された期間を踏まえながら、円滑かつ計画的に自主財源に移行する道筋をつけていただきたいと考えております。
また、財政支援の活用期間は、事業開始から数えて7年(小規模な市町村は9年)、センターの立ち上げについてのみ3年(小規模な市町村は5年)までを原則としておりますが、国の財政措置の活用期間後も、自主財源で体制の維持、強化に取り組むと首長が意思表明する自治体には、2年延長の特例を設けます。逆に、相談員の雇止めをする自治体に対しては、2年短縮の措置をとりたいと思っております。相談員の雇止めは非常に大きな問題でございまして、この措置も契機となって全国的に見直しが進むことを期待しております。
なお、この準則の存在によって、26年度以降の具体的な予算措置が決められるものではなく、具体的な措置の在り方については、今後時間をかけてしっかりと検討してまいりたいと思っております。
今回の一般準則は、自治体に対して長期的な体制整備のロードマップを示すものでもあります。地方の皆様におかれましては、自主財源化に向けて計画的に取り組んでいただく上で、消費者庁が各自治体の消費者行政体制が定着するまでには、継続的な支援が必要であるとの認識を持っていることを安心材料としていただきたいと思います。
消費者庁としては、今後とも地方消費者行政を下支えとするための支援について、財政措置を含め全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
以上でございます。

2.質疑応答(抜粋)


日本消費経済新聞の相川と申します。
この地方の国の財政措置の活用期間に関する一般準則なのですが、これは60.2億の後、基金とか交付金で、この後ずっと措置していくという意思を示すということですか。

そうです。

では、次に上積みが来ると思っていていいということですね。

そのように、消費者庁は取り組みたいと思っているところです。

それから、財政力指数0.4未満と人口5万人未満で、どのぐらいの割合を占めるのでしょうか。
地方協力課長
大体4割の自治体が該当します。市町村の4割が該当します。

これは、表題が「基金」になっていないのですが、国の財政支援ということになっているのです。ここで雇止めがあるということは、2年短縮ということは、これで5年目、今年ですよね。今年というか、来年度が5年目になってしまいます。そうすると、全ての事業が使えなくなる。
これは逆に、ちょっとやる気を……、この雇止めのところなのですけれども、これが一体何を考えているのか。国が養成した相談員に対して言っているのか、全般的に雇止めをやめろと言っているのか。この雇止めをやめろということが、自治体でこれがどのぐらい通用するのか。この辺で現実的に、もしかしたら逆にやる気を削いでしまうのではないかという心配する声がなくはない。この辺はどのようにお考えでしょうか。

そこは、実際に発します準則の本文の中には、雇止めとは何かということについても定義を書いておりまして、それをきちんと自治体に説明し、そして納得いただいて、雇止めをなくしていただくようにお願いしたいと思っています。

でも本当に……、本当に、でもなくせないところは、来年までしか使えないということですか。7年間だけれども、雇止めのところは2年だということは、来年度までしか使えないのですよね。21年度からですよね。
地方協力課長
個々の事業ごとですので、例えば21年度に新たに採用しました相談員さんについては、21、22、23、24、25までではありますけれども、それはその維持拡充という個々の事業ごとに対応しますので、全ての事業について、5年間ということで使えなくなってしまうというわけではございません。

ただ、大体が21年度から養成事業とか相談員のレベルアップ事業とか、体制整備事業はほとんど盛り込んでいますよね、やっているところは。
総務課
補足しますが、例えば相談員の人件費や養成事業についても、それぞれ全体を一つのまとめたパッケージにしているわけではなくて、21年度に増員した人については、その原則は27年度までだし、短縮措置では25年度ですね。22年度から増員したポストに関しては、原則28年度までになっておりまして、個々の事業はそういう単位で見ていくので、自治体として一律に、例えばあと1年間で事業全体がばさっと切られる、ということはないわけです。

この記者会見の内容で注目したいところは2つあります。

1つは、質問にもありました、「雇い止めをやめろということがどこまで通用するか、逆にやる気をそいでしまうのでは」というところですね。
雇い止めの問題は消費者行政部門の問題というよりも、その自治体の雇用制度のあり方の問題であると思います。したがって、消費者行政部門の一存で決められないことを2年間のペナルティという形にするのは消費者行政を後退させるおそれがあると思います。つまり、消費者行政部門が積極的に事業をやりたくても、自分たちで変えることのできないもっと上の自治体としての雇用の仕組みがじゃまをして予算を削られてしまう。その結果、意欲があっても事業ができなくなる。という図式でしょうね。雇い止めをなくすには自治体に判断を委ねるのではなく、もっと大きな仕組みが必要だと私は思います。

もう1つは、7年間(もしくは5年間)というくくりが、基金の始まった21年度から数えるのではなくて、それぞれの自治体がその事業を始めた年度から数えるということです。いまいち理解ができませんが、例えば、基金で増員したのなら、増員した相談員は増員した年度から数えて7年間財政措置がとられるということでしょうか。ということは、今からでも基金で増員すれば7年間雇えるということにつながるのかな?

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