消費者情報 2012年12月号 (関西消費者協会)

今月号から気になる記事を紹介します。

①特集 子どもの事故防止に向けて
・子どもの事故―現状と対策  国民生活センター
→あげられた事故事例はセンターに関係することというよりも一般的な事故を紹介しています。センターでは指はさみなど製品事故というのが取り上げる一つのテーマだと思いますので、そこはあまり突っ込んでいませんでした。
・製品安全関連法の役割  「消費生活用製品安全法」「消費者安全法」「製造物責任法」
→3つの製品関連の法律を解説しています。実はこの3つの法律、というよりも「消費生活用製品安全法」「消費者安全法」の違いについてあまり分かっていない相談員が多いように感じます。詳細は別の機会にしますが、大きなポイントは「消費生活用製品安全法」は事業者を対象とする法律であり消費生活要請品のみを対象としますが、「消費者安全法」は行政を対象とする法律でありすべての事故(ほかの法律の規定がある場合を除き)を対象とすることです。
・相談スキルアップ窶・I 製品事故に関する聞き取りとあっせん
→1ページにまとめるのは難しいというのが製品事故の対応です。実際はここに書かれているよりももっと複雑です。
・子どもの事故・法律に関する年表
→子どもの事故に関する消費者問題の歴史が一目で分かるので参考になります
・「消費者安全調査委員会」設置でどう変わる  消費者庁長官
→現場レベルではあまり活用されない法律だと思います。もっと小さな事故でも国が積極的に対応してほしいと願っています。

②コンシューマー・トピック 改正特定商取引法で相談現場はこう変わる
・明治大学の圓山先生の解説です
・施行は公布から6ヶ月以内なので、来年2月中には施行されます
※この法律が施行されたら訪問購入はなくなるのではと思うほど、業者には手間ひまのかかるクーリングオフの取り扱いですね。

③くらしあんぐる 2012 「最高の節約術」  毎日新聞編集部デスク
※ジャーナリストにありがちな政治批判ですが、特定の政党を批判するなど、この雑誌で扱うには配慮のない記事だと思います。内容に賛成反対という問題ではなく読者を政治的に誘導しようという意図を感じさせてしまいます。このような内容は新聞や週刊誌にしてほしかったです。

④多重債務キャラバントーク ワタシのミカタ
・お金の問題は恥ずかしいという気持ちがあり相談しづらい。ほかの相談の話をしていると多重債務の話が出てきたりする。
※相談現場でも同じです。相談内容の背景に見え隠れしている問題に気づくことが相談員として重要です。私は過去にも同じような記事を書いたことがありますが、「事業者の信用性を教えてほしい」という相談の背景には、「だまされて困っているのではないか」という疑念をもって対応すべきであり、単に「個別の企業の情報は公開されていません」と対応するのはダメだということです。

⑤判例に学ぶ
「リース会社に、提携販売店の管理義務違反による損害賠償責任を認めた画期的判決!」大阪地裁平成24年7月27日判決

→タイトルそのままです。今まではリース契約だと諦めのモードに入っていましたが、提携販売店が違法な行為を行っていた場合はリース販売店に違法な営業活動がないか調査管理する義務があるというものです。事業者を対象としたリース契約ですが勉強になるのでぜひ読んでください。

⑥ネット漂流 Vol.8 「アプリに潜む罠」
・スマートフォンのアプリのダウンロードには利用規約の同意として送信項目があり、多くの情報が集められている。これらの情報を悪意を持って集められたらどうなるだろうか。
※いつものシリーズです。しっかり読んで理解してください。

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関西消費者協会 http://kanshokyo.jp/hp/
消費者情報 2012年12月号

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