ネット取引の広告表示のガイドライン(平成23年10月28日公表)

10月28日に消費者庁から、「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」が公表されました。
3ページの概要版と11ページの詳細版の2つが公表されています。
なお、今回のガイドラインは「景品表示法上」に限定されていることに注意してください。

消費者庁HP
表示対策課<その他の景品表示法関連の公表資料>
http://www.caa.go.jp/representation/index.html#m01-5
平成23年10月28日 「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の公表について[PDF:772KB]
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/111028premiums_1.pdf
(今は消費者庁のトップページの新着情報に掲載されていますが、表示対策課のページでは下の方にあります)

ネットに関してはさまざまな通知が出ていますが、今までにはない具体的なモデルが例示されているので、なかなか面白く、最新トレンドを踏まえた内容のガイドラインです。
ぜひ、というよりも必ず読んでおいてください。

今回、5つのモデルについて解説されています。
①フリーミアム
②口コミサイト
③フラッシュマーケティング
④アフィリエイトプログラム
⑤ドロップシッピング

さて、このガイドラインを読んだ場合の相談員の感想をレベル分けしてみました

初級レベル・・・知らなかったから勉強になった
知らなかったではダメです。勉強不足です。
どれも現実に相談業務の中で問題になっていますし、相談を受けたこともあるかもしれません。
何よりも、ある程度のアンテナを張っていれば普通に知っていることばかりです。
相談員であれば、知っておくべきモデルです。
これをきっかけに、きちんと理解しておいてください。

中級レベル・・・今までの景品表示法を運用すれば「当たり前」の内容だ
そのとおりです。
詳細版の1ページ目に

なお、今回提示する問題点及び留意事項は、景品表示法のこれまでの運用及び電子商取引ガイドラインの考え方を新たなサービス類型に対して当てはめて記述したものであり、電子商取引ガイドラインの考え方を変更するものではなく、電子商取引ガイドラインは引き続きインターネット消費者取引の基本指針となる。

とあります。
対象が新しいサービスになっただけであり、景品表示法上の解釈は同じです。
応用力は現場でも大切なスキルです。
できれば、これぐらいの感想を持ってほしいのですが、対象が変わっただけでパニックになってしまう相談員もいるかもしれませんね。

上級レベル・・・当たり前の内容だけど、違和感を感じる
具体的なメーカー名や商品名が掲載されていないのは文書の性質上仕方がないことですが、表示の特定の項目(景品表示法上の問題点)だけに注目しているので、総合的な説明がされていません。このガイドラインはあくまでも一部の要素であり、ほかの知識とシンクロさせることが必要になります。たとえば、ドロップシッピングであればビジネスモデルの説明はあるが、商品の表示の問題にだけ言及しており、ドロップシッピング商法の問題点とは切り離されています。当然、それに絞ったガイドラインですので当たり前です。十分な知識のある相談員には「いまいち感」があるかもしれませんね。ここまで感じることができるのなら十分な知識を持っています。自分自身で応用させてください。

今回のガイドラインでは5つのモデルが定義付けられましたので、相談員として「共通認識」を持つには重要なガイドラインです。
自分自身の知識を補完して、さらに深めてください。

今回のガイドラインですが、私はある程度は評価しているものの、①具体的なサービスやメーカー名、商品名が例示されていないこと、②説明が分かりにくいものがあること、③総合的に問題点をまとめたら分かりやすいと思うこと、の3点から、もう少し押しがほしいところです。今回のガイドラインについて、何回かに分けて、もっと具体的に解説し、単なる知識ではなく、生きた使える知識にしていきたいと考えています。

相談員として、これらのビジネスモデルは当然知っているべきことです。知らなかったり、あいまいであったりした場合は、今一度、理解を深めてください。そういう意味で、良い資料だと思います。

最後に補足しておきます。
このガイドラインが出たのは、この5つのモデルに問題があるからということに違いはありませんが、だからといって、これらのモデル自体の存在がすべて悪いと思うことだけはやめてください。一部に問題があるだけであって、ほとんどは、きちんと運営されているからです。最初から「問題モデル」だという思い込み(バイアス)を持たずに、相談内容をしっかり見極めてください。

そのほかの参考資料
消費者庁>消費者政策課>5.検討会・研究会等>インターネット消費者取引研究会
http://www.caa.go.jp/adjustments/index_6.html
「インターネット消費者取引研究会」取りまとめについて(平成23年3月11日)
インターネット取引に係る消費者の安全・安心に向けた取組について[PDF:227KB]
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/110311adjustments_1.pdf
インターネット取引に係る消費者の安全・安心に向けた取組について(概要)[PDF:913KB]
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/110311adjustments_2.pdf
(参考)インターネット取引に係る消費者の安全・安心に向け特に重点的に取り組む事項[PDF:157KB]
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/110311adjustments_3.pdf

消費者庁>表示対策課>景品表示法トピックス>消費者向け電子商取引表示への取組>法令・ガイドライン等
「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項(電子商取引ガイドライン)」(公正取引委員会、平成14年6月5日〔一部改訂 平成15年8月29日〕)【PDF:59KB】
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_38.pdf

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