過払い訴訟 無資格代行

7月27日の読売新聞の記事を紹介します。

過払い訴訟 無資格代行…広島県警が3人逮捕
2014年07月27日

弁護士資格がないのに過払い金返還請求訴訟の法律手続きを行ったなどとして、広島県警は26日、広島市中区広瀬北町、無職高原信二容疑者(44)ら3人を弁護士法違反(非弁行為)の疑いで逮捕した。名簿業者から購入した消費者金融の利用者名簿を使って勧誘電話をかけ、2年間で全国の125人から計4990万円の報酬を得ていた。

ほかに逮捕されたのは、同市西区古江東町、無職山田裕行(61)、同市佐伯区藤の木、建築作業員井上光裕(29)の両容疑者。

発表では、高原容疑者らは2012年10月~13年8月、広島、山口、鹿児島各県の男女3人を電話で勧誘。資格がないのに過払い金額の計算や訴状の作成、裁判所への提出方法の指導などを行って提訴させ、返還金の30%を報酬として受け取った疑い。

高原容疑者らはほか数人の仲間と広島市内のマンションに事務所を置いて活動。すべて電話での指示で、利用者が提訴すると消費者金融から和解金が振り込まれるため互いに顔を合わせず、報酬も一般的な相場とされる金額だったため発覚しにくかったという。

yomiuri onlineより
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20140727-OYO1T50007.html

過払い金請求の詐欺とは違います

過払い金請求の詐欺という典型的な悪質商法の手口があります。それは、過払い金請求でお金を取り戻せるといって着手金を振り込ませて連絡が付かなくなると追うものです。
今回はそれとはまったく違うものです。

過払い金請求訴訟自体は正しい手続きだったのですが、無資格ということで代行者が逮捕されたというものです。
依頼者は結果的には通常の手続きをしたのと同じですので被害者というわけではありませんが、今回の件でいろいろ考えさせられました。

おそらく、このような手続き自体は慣れてしまうと簡単なので、素人でもできてしまうということです。だから、本物の業者にとってもおいしい仕事なんでしょう。125人から30%の4990万円の報酬をもらってますので、1件40万の報酬、過払い金は約140万というところでしょうか。2年間でおいしい話ですね。
30%の報酬ですが少し高めでしょうか。相場的には20%が多いようですし、最近は競争で価格破壊も起こっているようです。

さて、私が考えさせられたことというのは

これだけ過払い金についてテレビや新聞などで大きく報道されているのに、実行していない人がたくさんいるということです。
悪質商法や製品事故についても大きく報道されても、すべての消費者に届かないというのはよくわかります。
消費者啓発の限界をひしひしと感じますし、本当に届いてほしい人にはなかなか情報が届かないんだなあと改めて感じました。
今回、過払い金を受けた消費者は、消費者金融利用者の名簿からピックアップされたというのも皮肉を感じます。
とかく、行政では、啓発をすること自体に意義を持っていますので、そこまでは難しいですが、啓発したいことを本当に届けたい人に届けるにはどうすればよいうのかを現場では一番考える必要があると思います。

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